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都道府県別自動車保険料の違い

多くの自動車保険(任意保険)では、「リスク細分型」を取り入れており、事故リスクの大小によって保険料を変える仕組みです。よく知られているところでは統計的に35歳以上のドライバーの事故リスクが低いためその他の年齢よりも保険料が安くなっているというものです。
年齢と同じように「地域」においても「リスク細分型」が適用されどの地域で登録、利用しているかによって保険料が変わってきます。
「地域」の事故リスクと保険料の変化にどのような影響を与えているのか考察してみました。

「地域」と事故リスク

下記表は、国土交通省などの公共機関が発表している事故件数などの上位3件と下位3件を表示しています。
また、参考として自動車保険会社が提供している保険料試算を利用して保険料を算出しています。
保険料は都道府県別の保険料の差を比較するために仮り条件を設定して算出しているものであり都道府県の保険料の平均額などを示しているものではありませんのでご注意ください。

まず、比較のために設定した契約条件、補償内容です。

契約条件 
年齢 35~49歳
車/型式 トヨタ アクア/NHP10
用途車種 小型乗用車
免許証の色 ゴールド
等級 20等級
使用目的 日常・レジャー
年間走行距離区分 3,001km~5,000km
事故有係数適用期間 0年
運転者限定 家族限定
年齢条件 35歳以上補償
補償内容 
対人賠償保険 無制限
対物賠償保険 2,000万
自損事故保険 死亡1,500万円
後遺障害 2,000万円
無保険車事故傷害保険 2億円
搭乗者傷害保険 1,000万円 一時金払
割り引き  
インターネット割引

では、都道府県別「死傷事故件数」から比較していきます。

死傷者が発生した事故件数
 件数順位   事故件数 保険料(参考)
1 愛知 46,131 14,810円※1
2 大阪 42,729 15,460円
3 福岡 41,168 14,670円
45 秋田 2,270 14,540円
46 島根 1,583 15,460円
47 鳥取 1,168 15,460円

※ 死傷事故件数=国土交通省 平成26年度
※1 名古屋を想定

参考例の保険料を見てみてもあまり相関関係はないようです。

続いて「人口10万人当たりの死傷事故件数」で比較してみます。
完全に相関関係があるわけではないようですが、何となく件数に応じて保険料が高くなっている傾向が見受けられます。

人口10万人当たりの死傷事故件数
 件数順位   事故件数 保険料(参考)
1 佐賀 1,062.3 14,670円
2 香川 911.5 14,970円
3 静岡 904.2 14,810円
45 秋田 218.9 14,540円
46 岩手 211.2 14,540円
47 鳥取 203.5 15,460円

※ 人口10万人当たりの死傷事故件数=国土交通省 平成26年度

では、都道府県別の違いを別の数値から見てみます。
下記表では、「死傷事故件数」を「各都道府県別の自動車(軽自動車、二輪車含む)の保有台数」で割って自動車保有台数に対する事故発生率を表にしてみました。

自動車の保有台数から見る事故発生率
<死傷事故件数/自動車(軽自動車、二輪車など含む)保有台数>
 件数順位   事故発生率 事故件数 保有台数 保険料(参考)
1 佐賀 1.33% 8,870 665,441 14,670円
2 福岡 1.25% 41,168 3,291,999 14,670円
3 静岡 1.17% 33,499 2,851,110 14,810円
45 秋田 0.28% 2,270 821,406 14,540円
46 岩手 0.27% 2,712 1,015,932 14,540円
47 鳥取 0.25% 1,168 461,268 15,460円

※ 自動車(軽自動車、二輪車など含む)保有台数=一般財団法人 自動車検査登録情報協会

地域別事故リスクと保険料の算出

地域別の事故リスクによる保険料の増減はやはりあるようですが、今回の保険料例ではそれほど大きな差額になりませんでした。
また、上記表の中では、事故発生件数が低いわりに鳥取の保険料が極端に高くなっているなど単純に死傷事故発生数や発生率だけで事故リスクの高い、低いやそれによって算出される保険料が決められているわけではないこともわかりました。
これに加えて各契約者の条件や希望など多くの要因が含まれて保険料が決まってきます。まさか自動車保険の保険料のために他県へ引っ越すことはお勧めしませんが保険料の決定にこのような要因もあることを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。

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